2006.01.21
点火時期の変更
高回転でスロットル開度が少ないと失火してしまう、というにずっと悩んでいた。ようするに高速走行(100km/h以上)ではスロットル全開か全閉のどちらかしかできないので非常にギクシャクした走行になっていた。
本を読んだりググってみたり、いろいろと調べてもなかなか同じ症状の記事やトラブルに出会うことなく、これまではアイドルジェットをいじってみたり、メインジェットやエマルジョンを変えたりしてみたのだが、どれもいまいち効果が出なかった。
mixiのとあるコミュで相談してみたが「プラグの熱価を変えるとよいですよ」という回答もあった。でもプラグの熱価の変更が必要、ということはもっと別の基本的な調整&チューンが必要で根本解決にはならない。プラグを変えてみたらなんかしらないけどよくなっちゃった、という一番手っ取り早いチューンなんだけど。
エンジンを動かすのに必要なのは「よい燃料、よい圧縮、よい爆発」。これが調整&チューンのすべてだと個人的には思ってるんですね。
で、この不調について「よい燃料、よい圧縮、よい爆発」の視点でもう一度考えてみようと思ふ。
トラブルは「ある回転数より上で、しかもスロットルがパーシャル状態」で発生する。まず「よい圧縮」はここでは考えないでおく。低回転あるいは通常の使用回転域では問題ないし、特にパワー不足などは感じていないから。
さて、これまでは「スロットルがパーシャル状態で」ということから「よい燃料」という視点でずっと調整してみたのだが、どれも結果はいまいち。逆に意識しすぎたジェットセッティングをすると他のスロットポジションで状態が悪くなり全体バランスが崩れる。いくらウェーバ、しかもスペインウェーバに換装したとはいえ、ここまでピンポイントのセッティングを要求はしないだろう。そんなハイチューンのエンジンでもない「どノーマル」エンジンなのだ(笑)
とするとここで「よい燃料」を捨てて「よい爆発」の視点で考える。よい爆発・・・プラグはひどくかぶっているわけでもない。よい爆発=よい点火タイミング・・・
・・・・
で、ふと思ったのが
「もしかして点火タイミングが遅いんちゃうか?」
と。
そもそもMidget 1500の点火タイミングはBTDC10°。でもこれはゼニスキャブで負圧進角制御があるという点火制御があってのこと。ウェーバではスロットル負圧を作り出すことはできない(マニホールド負圧はできるけど普通は利用しない)のでウェーバやソレックスに換装の際はアイドル時の進角を早める(+0~5°の範囲で)とよい、というのを12/19の日記に書いた。
この点についてもうちょっと真剣に考えてみよう。
つまり高回転で低負荷の時はマニホールド負圧が高いので、本来(ゼニスキャブの場合)なら負圧進角制御によってデスビで進角が進むはずだが、それがない(デスビのガバナ遠心進角のみ)なのが進角が足らなくなる。そうすると「混合気が希薄で燃焼速度が遅くなる」+「点火時期が進角されず、遅い」→「燃焼が完了する前に排気工程になる」→「不完全燃焼になり、エンジンはカブる」ということになる。
でもってアクセルを全開の場合は「混合気が過濃で燃焼速度が速くなる」→「点火時期が早くても排気工程前に完全燃焼(適正な爆発)が起こる」ということになる。
これって今の不調の現象そのまんまやんけ。
さーて、そうなれば点火時期の変更。タイミングランプで点火時期を調べるとアイドリング状態でBTDC12°になっていた。一応は進めてあるのね。で、これをBTDC15°になるように変更した。その結果ちょっとばかりアイドリングの回転数が変わったんで調整しなおして、いざ出発。高速に乗って100km/hを超えたところでアクセルを離す。で少しだけアクセルを踏んでみると・・・
「!!!」
今までだったら「ボコボコボコボコ・・・」といって加速しなかったのがちゃんと加速している。しかもこれが120km/hになってもパーシャルでちゃんと爆発して速度を維持している。
いやぁ、ひさびさのクリーンヒットに車も非常によろこんでいるような感じ。とすると、これをベースにジェットセッティングを変更しないと。
こういう経験の積み重ねがなにものにも換えがたい知識になるんだなぁと思う今日この頃。