ブレーキペダルの踏力抜け

 特に古い900を乗っていると「ブレーキの踏力が抜ける」という症状が起こる、という話をよく聞きます。ブレーキの踏力が抜けるというのは、ブレーキペダルをしっかりと踏み込んだにもかかわらず「ずずずっ」っとさらに奥にペダルが吸い込まれてゆくことです。
 通常の診断ですと、この様な症状が起こる原因には3つありまして

 1.ブレーキホースの破損・ブレーキ液漏れ
 2.ブレーキキャリパーからのブレーキ液漏れ。特にピストンシールの破損・劣化
 3.マスターシリンダ内でのブレーキ液漏れ。特にシリンダピストンシールの破損・劣化

 があげられます。1.と2.は明らかにブレーキ液漏れの跡が目視できますからそのようなときには即修理となりますが、3.の場合は外観的に異常が発見できないため判断が難しくなります。
(ピストンが破損して油圧をかけたときにシールからブレーキ液が漏れたとしても、マスターシリンダの構造上リザーバタンクに戻るようになっているため、外へブレーキ液が漏れることはない)

 ただしClassic900の場合、比較的古い年式の900を乗られているオーナーの方々の多くはこの「踏力抜け」を経験していると聞きますので、ある期間(5~10年)を措いてマスターシリンダのオーバーホールをしなければならないのかもしれません。(シールゴムの材質が弱いのかも)

 実際にオーバーホールしたときの様子を簡単に記録しておきましたので、参考にしてください。オーバーホールキットは、ヤナセで手軽に手に入ります。キットの中に必要な部品がすべて一式入っているので便利です(P/N 8965329)。

 ただしブレーキは重要保安部品なので整備・修理は指定整備工場か「自分」で行ってください。