現在のRV車などに必要不可欠なのが「4WD」、すなわち四輪駆動という駆動方式を国産乗用車に初めて搭載して発売されたのがこの「レオーネ」である。スバルの現行車種「レガシィ」「インプレッサ」の原点にもあたるこの車は、「スバル1000」から受け継がれている4気筒水平対向エンジンを縦置きに配したFWDの構造をベースに4WDにしたものである。この「4気筒水平対向エンジン、縦置きFF」のレイアウトはこの後数々の改良を加えられた後「レガシィ」「インプレッサ」へと受け継がれている。
エンジンは水平対向4気筒OHV。ゼニスのストロンバーグキャブを搭載して最高出力87ps/5600rpm、最大トルクは12.3kg・m/3600rpm。サスペンションはフロントにマクファーソンストラット、リアにはセミトレーディングアームにトーションバー・スプリングサスを採用。あくまでも悪路走行での安定性を目指しているが、長いアクスルトラベルとトーションバーによるプログレッシブなサス性能が適度に軟らかな乗り心地を実現しているため、町中の一般走行でも乗り心地は上々である
この車は私が免許をとって最初に手に入れた車で、「安い、しかも見た目がきれい」という理由だけで衝動買いしたのですが、頑丈なエンジンと必要以上に高いロードクリアランス(最低で205mm!!)とサスペンションがいかにも「雪国、オフロード仕様」でとても気に入っていました。見た目「ただのセダン」の癖して、積雪30cmの雪の中もチェーンなしで走行できましたし、悪路・ダート道ではどんな急斜面でも「バタバタ」と水平対向エンジン独特の「スバルサウンド」を響かせて走ってくれました。
購入当時は長野県にいたのでエアコンなし(!)のこの車で十分でしたが、就職の関係で名古屋にきたときには車よりバイクのほうが涼しい始末。そのうちドライブシャフトのベアリングブーツが切れてしまい、修理に出す前にベアリングがいってしまい、そのまま廃車に。解体屋でナンバーを自分ではずし店を後にするとき、改めて振り返って見つめたこの車の後ろ姿が、やけに悲しかったのを覚えています。