ブレーキペダルをしっかりと踏み込んだにもかかわらず「ずずずっ」っとさらに奥にペダルが吸い込まれてゆく、いわゆる「踏力ぬけ」の現象が発生しました。走行中はまだまだ良いのですが、信号待ちなどでずーっと踏んでいなければならないときはブレーキが利かなくなり非常に危険です。 このような状態が発生した場合はマスターシリンダーのオーバーホールが必要です。 リザーバタンクは、強引に引き抜くとマスターシリンダから外れます。リザーバタンクをはずした状態のマスターシリンダです。なぜブレーキホースまではずしたかというと、11mmのフレアナットレンチがなかったのでマスターシリンダ側のフレアナットが外れず、仕方が無いのでその先にあるホースジョイント部で外したからです(こちらはスパナでナットが回ってくれた)。本来はフレアナットレンチで外さないと簡単にナットの山をナメます。
これが、マスターシリンダのシールキットです。Parts No.は8965329です。
リザーバタンクのパッキンを取り外すと、セカンダリピストン側に下図の様なピンが出現します。この赤丸のピンを抜くとピストンが抜けてきます。このピンを抜くには・・
私はこのようにして、ウエスと足でマスタシリンダを押さえながら鉄の丸棒(ドライバなど)でピストンを押し込み、ピンを抜き取りました。ピンを抜き取るとプライマリピストンが飛び出してきます。
セカンダリピストンは、マスタシリンダを軽く叩いて抜きます。もしかすると抜けないかもしれません。そのときは・・・どうすればいいのでしょうかねぇ(^-^; で、プライマリピストンを比べてみました。上が新品、下が古いものです。プライマリピストンはアッセンブリ交換です。
よく見ると古い方はスプリング側のシールの開き方が悪いですね。さらにひどいのは、見にくいかもしれませんが右側のシールがねじれています。これはあくまで想像なのですが、前回整備した時に整備士の方がはめ方を間違えてねじってしまったんでしょうか。これではシール効果は全くないです。 セカンダリピストン側の写真です。 スプリング側のシールの表面が荒れており、薄く弾力性がありません。抜け(ペダルがスーッと踏み込まれて行く)の原因はどうやらこのシールが劣化したためだと思われます。
新品のシールを取り付けたセカンダリピストンです。シールの開き具合が全然ちがいますね。ちゃんと外側へ広がっています。
全部組立直し、表面のオイルの汚れ等をふき取って綺麗になったマスターシリンダAssy.。
シールを交換したマスタシリンダを元通りに取り付け、ブレーキラインのエア抜きを実施すれば作業終了です。